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「まあせんせい」の熱血保育対談

今回うかがった場所
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東京おもちゃ美術館
(東京・四谷)

子どもの「遊び力」を伸ばすおもちゃを独自の基準で選び、数万点を所蔵。実際にそれらで遊ぶことができる。200名のボランティアスタッフ「おもちゃ学芸員」が遊びをサポートしてくれる。

ゲストプロフィール
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ただ・ちひろ

1961年東京生まれ。ロシアのプーシキン大学に留学後、東京おもちゃ美術館館長、NPO日本グッド・トイ委員会理事長、早稲田大学では「福祉文化論」の講師を務める。著書に『遊びが育てる世代間交流』など。
館長・多田千尋ブログ
http://blog.goo.ne.jp/geiken

vol3 子どもの想像力をのばす、手作りおもちゃと木のおもちゃ

ま/
東京おもちゃ美術館は、内装に木がふんだんに使われ、
また木のおもちゃが多いことがとても印象的です。
うちの保育園でも、おもちゃや内装に
木を多く取り入れているんです。
子どもたちは木のおもちゃを大切に使うんですよ。
た/
そうだよね! なぜでしょうね?
ま/
木の重さ、雰囲気、色合い、温かみを
肌で感じるんでしょうかね。
た/
木の専門家から「木は、おもちゃになっても生きて
るんですよ」って言われたことがあるんです。
木と子どもは、生き物同士。
仲間だから大切にするんじゃないかな。
ま/
なるほど! それから、日本で生まれ育った人は、
“木”に安心感を感じる傾向もあるのではないでしょうか。


た/
そうですね。
「その土地で育った木で作ると、良い家が建つ」
という話を大工さんから聞いたことがあります。
それと同じで、子どもも地元の木で作ったおもちゃで
遊ぶことが理想だと思う。“おもちゃの地産地消”です。
“フード・マイレージ”(生産地から消費地までの距離)
という言葉がありますが、私は“トイ・マイレージ”を意識しています。

たとえば、裏庭の木で作ったおもちゃの
トイ・マイレージは50メートル。
一方、フィンランドの木で作ったおもちゃは5000キロ。
この距離は、おもちゃを作ったり運んだりするプロセスで
排出するCO2の量に比例しますよね。
“トイ・マイレージ”がなるべく少ないおもちゃ、
つまり、環境のことを考えたおもちゃを意識的にとりいれていきたい。
ま/
これからの子どもたちには、どのようなおもちゃが
必要だとお考えですか? 
た/
今、お話ししたような、
「木育(もくいく)」を、推進したいですね。
せめて乳幼児までは木のおもちゃを
メインにすることをおすすめしたいと思います。
ま/
うちの保育園では、「心を育てる」という意味で、
「心育(しんいく)」という言葉を保育理念においているんです。
「木育」と同様に、生き物と生き物、人と人との
“コミュニケーション”を大切にしたい。
た/
そうですね。
コミュニケーションを育むという意味で、
幼児からお年寄りまで一緒に楽しめるボードゲームが、
これからの世の中に必要なおもちゃだと思います。
将棋盤や「人生ゲーム」などのように、
これからも魅力的なボードゲームがどんどん出てくるといいですね。
「一家に一台、“ファミリー・コミュニケーション型ボードゲーム”を!」
ということを提唱したいです。
たとえば、「毎週水曜日は家族みんなで集まってゲームを楽しもう」
といったコミュニケーションの時間を大事にしてほしい。


ま/
先ほど、3階の“おもちゃこうぼう”で見せていただいた
手作りおもちゃも、コミュニケーションを育むおもちゃですよね。
保育者が手作りおもちゃを作る際のアイディアの出し方など、
アドバイスをいただけますか?
た/
牛乳パックやラップの芯、といった生活の中から
出てくる素材をストックして、素材を見ながら
創作意欲をふくらませると良いと思います。

とくに0〜6歳は、親指、人差し指、中指の
3本の指を使う遊び道具を作ると良いですよね。
おもちゃを使って指先をきたえるうちに、
自分で靴下がはけるようになるなど、
遊びの中で成長してくれるんですよね。


ま/
僕が、保育に目覚めたのは、
まさに、3本の指を使う手作りおもちゃがキッカケでした。
ピンセットでお皿からお皿へスポンジをうつすことで、
箸やスプーンを上手に使えるようになる手作りおもちゃだったんです。
子どものために保育者が工夫しておもちゃを作っている様子を見て、
保育者という仕事の奥深さ、創造性に気づきこの道に進みたいと思いました。


た/
保育者がこの視点でおもちゃを考えたら、
日本はまだまだ技術立国として成り立つと思います。
手指が器用で発想の豊かな子どもが育ちますよ!
ま/
そのためには保育者が、既成概念にとらわれず、
伸び伸びとした視野を広げなければなりませんね。
た/
そうですね。子どもの想像力をかきたてるという
視点を忘れずに自由に発想しましょう。
まとめ
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「筒がえし」
筒をひっくりかえすと模様が替わる。
江戸時代からある、からくりのおもちゃ。
大人と一緒であれば年長児でも作れるので、
お気に入りの柄で作って遊んでみよう。
「箱カメラ」
切り抜いた牛乳パックの中に
2枚の絵が入っている。
ひもを引っ張るとシャッターのような
音とともに箱の中の絵が
入れ替わる。
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「紙コップのくるくる童話」
いちばん内側に背景、2枚目にうさぎ、
3枚目に亀が描かれた3枚の紙コップが重なっている。コップを動かせば、
絵が動いて紙芝居のようになる。
単純な仕掛けだが、想像力が育つ
おもちゃだ。
【熱血保育対談第1回のまとめ】
今回は「子どもを育てるおもちゃとは」をテーマに、
多田館長とまあせんせいに3回に渡ってお話ししていただきました。
これまでのお話をふりかえってみましょう。
  • アナログおもちゃがコミュニケーションを育む
  • □アナログおもちゃには、遊んでいるうちに
     誰かに面白さを伝えたくなる力がある。
     だから、子どものコミュニケーション欲をそそることができる。

    □魅力的なデジタルおもちゃがあふれる、
     いまだからこそ保護者や保育者は、
     子どものコミュニケーションについて考ることが大切である。
  • いいおもちゃは、ワクワクドキドキを作りだす
  • □いいおもちゃとは、子どもの想像力を育てるおもちゃ。
     子どもは、楽しみを自分で見つけられるので、
     シンプルなおもちゃが子どもの想像力を育てる。

    □アナログおもちゃだけでも、子どもは息がつまってしまう。
     理想的なバランスはアナログおもちゃ8割に、デジタルおもちゃは2割。
  • 子どもの想像力をのばす、手作りおもちゃと木のおもちゃ
  • □木は、おもちゃになっても生きている。
     素材に温かみがあるので、子どもは自然と大切に扱う。
     手作りおもちゃは、ラップの芯など素材から発想すればアイデアが広がる。

    □子どもの想像力をかきたてるという視点でおもちゃを選べば、
     子どもの成長を助けることができる。
まあせんせい熱血保育対談第1回をお読みいただきありがとうございました。
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